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小児固形腫瘍
転移型生存率推移
 
過去40年の転移型小児固形腫瘍の予後解析

この30年間に、小児固形腫瘍の予後は大幅に改善されましたが、大部分は限局型の小児固形腫瘍の予後改善によるものです。本研究は、この40年間にわたる転移型の小児固形腫瘍患者の全生存率を評価しています。
解析には米国SEERデータベースに、18歳までに転移型ユーイング肉腫、神経芽細胞腫、骨肉腫、横紋筋肉腫およびウィルムス腫瘍と診断され登録された患者データを解析対象としました。
1973–2010の間、転移型の固形腫瘍と診断され、解析対象となった患者データは3009件で、予後解析は、1973–1979年、1980–1989年、1990–1999年および2000–2010年の間にそれぞれ登録された患者データをサブグループに分類し、10年全生存率を算出しています。その結果、1973–1979年のサブグループにおける全生存率は28.3%、1980–1989年では37.2%、1990–1999年では44.7%、2000–2010年では49.3%でした。
2000–2010年のサブグループを固形腫瘍別に更にサブグループとして解析した全生存率では、ユーイング肉腫 30.6%、神経芽細胞腫 54.4%、骨肉腫 29.3%、横紋筋肉腫 27.5%およびウィルムス腫瘍 76.6%でした。1973–1979年のサブグループでは、ユーイング肉腫 13.8%、神経芽細胞腫 25.1%、骨肉腫 13.6%、横紋筋肉腫 17.9%およびウィルムス腫瘍 57.1%でした。神経芽細胞腫の全生存率は、年代とともに統計学的優位な改善が認められましたが、骨肉腫とユーイング肉腫では1990–1999年と2000–2010年サブグループ間の改善は認められず、横紋筋肉腫およびウィルムス腫瘍では過去30年間の予後改善は認められませんでした。
転移型の小児固形腫瘍の全生存率は、1970年代から大幅に改善されましたが、予後が全く改善されない悪性腫瘍もあることが明かとされました。
 
【データ掲載論文】
「Outcome for Children with Metastatic Solid Tumors over the Last Four Decades」
Stephanie M. Perkins et al.
PLoS ONE 9(7): e100396 (2014)

解析症例】 1973-2010年の間、18歳以下の年齢で転移型小児固形腫瘍と診断された3009症例
対象疾患】 ユーイング肉腫・神経芽腫・骨肉腫・横紋筋肉腫・ウィルムス腫瘍
ICD-O-3形態コード】 8900–8902, 8910, 8912, 8920, 8921, 8960, 9180– 9183, 9186, 9192, 9193, 9260, 9500
サブグループ】 診断年で分類。1: 1973-1979年、2: 1980-1989年、3: 1990-1999年、4: 2000-2010年
解析項目】 10年全生存率
統計解析】 Kaplan-Meier method

グラフ

【症例情報】
     
【転移型固形腫瘍別生存率推移】

転移型小児固形腫瘍登録数推移
1970年代の症例登録施設数が9施設であったのに対し、2010年時点では18施設に増えたことが、登録症例数の増大に起因したのではと考えられています。
1970年代から2010年までの間、各年代の転移型症例登録割合(総固形腫瘍として)は全小児固形登録数のおよそ26~27%で差は認められていません。

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