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骨 肉 腫
"ヒト" と "イヌ" の発生の比較
そして "小児" と "イヌ" のための骨肉腫治療薬開発
2010年の小児慢性特別疾患治療研究事業の悪性新生物登録によると、骨肉腫は、小児に発生する悪性腫瘍のおよそ3%を占めます。アメリカの国家がん登録データによると、近年、骨肉腫の生存率は66.4%にまで改善されたことが示されています。しかしながら、発生した
骨肉腫のおよそ30%が転移型に発展し、転移型骨肉腫の生存率は未だ29.3%
であることも報告されています
※
。
イヌは我々人間と生活を共にする大変身近な存在で、我々人間と似た病気に罹ることがことが知られています。イヌに発症する骨肉腫の性質は、幾つかの点を除き、大変ヒトに発症する骨肉腫と共通していることが知られています。イヌに発症する骨肉腫の治療改善が、ヒトに発症した骨肉腫の治療方法を改善したに留まらず、生存率の改善に至っています。イヌにおける骨肉腫の罹患率はヒトのおよそ10倍、イヌの平均寿命はおよそ14年で日本人のおよそ1/5です。今後さらに、イヌが患う骨肉腫の治療改善となる技術が、罹患数が低く生存率の低い転移型小児骨肉腫「新治療薬」開発に応用されることを期待します。
※
Stephanie M. Perkins et al. PLoS ONE 9(7): e100396 (2014)
日本の小児骨肉腫発生数
骨肉腫:ヒトとイヌの比較
Canine Osteosarcoma: A Naturally Occurring Disease to Inform Pediatric Oncology
Joelle M. Fenger, Cheryl A. London, and William C. Kisseberth
ILAR Journal, Volume 55, Number 1, 69-85 (2014)
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